最近、テレビは意識的に見ないようにしています。
というよりも、あまりに見る価値がない。
僕の生活とはかけ離れ、派手な「芸能人」と呼ばれる人達が、自分たちだけが楽しんでいる内容に対して、その中のコミュニティに入って、自分も楽しんでいる…ということにも疲れた。また、その一方で、都合のいい情報ばかり流し、馬鹿番組で目をくらませるように思えて、以前とは全く違う視点でテレビを見ている自分に気がついてしまったのです。
そんな状況で、ついつい見てしまう番組があります。
しかもアニメで…
ちょっと前にたまたま日曜日の朝に見てしまった「宇宙兄弟」
漫画ではかなり売れているようなのですが、
これがナカナカいいんです。
今日の話はとても考えさせられる内容でした。
詳しい内容は僕も分からないのですが、
宇宙飛行士を目指している兄弟の話で、弟は既に宇宙飛行士になりNASAで月へ行くための訓練をしている。
一方、兄はそんな弟に遅れ少し複雑に屈折しながらも、何とかJAXAの最終選考にまで残り課題に臨んでいるという状況。
今日の放送で出された課題が辛口キャスターがテレビ番組の中で、地球にも様々な問題があるのに、明確な科学的裏付けのない宇宙開発に莫大な予算をつぎ込むのはオカシイという非難に、抗議の説得文をグループで作れという内容だった。
そこで主人公の兄であるムッタは、子供の頃に弟と聞きに行った野口宇宙飛行士の三次元アリの話を思い出していた。
なんで宇宙にいかなければならないのか?という宇宙開発に批判は多いが、
それに対してアリの例え話をしたのだ。
列に続くという直線の動きしか出来なかった蟻が、障害物に出会って列を外れて進むことを学ぶ、列から外れることを非難するアリもいるが、列から外れることを選んだ1次元蟻は面で行動ができる2次元蟻になる。壁に出会った蟻が壁を登れば3次元蟻になる。
要するに、別の視点を持つ事で、今まで抱えていた問題の新しい解決策を見つけることができるかもしれない…ということなのだ。
その話を思い出しながら、主人公ムッタはグループのみんなに抗議はしないという意見を述べる。
何故?と驚くグループのメンバーに、ムッタはこう話す。
「言葉でいくら訴えても伝わらない。実際に、そのキャスターに行ってもらうしか分からないんじゃないか」と
そんなこと言っていたら、すぐに行ける訳じゃないという批判にたいし、
「大丈夫、ヒビト(弟)が月に行ってくれる。日本人初めての月面着陸者として、ヒビトが行けば、日本人はみんな心を奪われる。二次元アリが三次元アリに気づき、可能性を感じる事ができるんじゃないかな」というような内容のことを話、
僕は、正直、身震いがしてしまった。
自分の中で注目する話が2点あり
・一つは宇宙に人間が何のためにいくか?という気づき(現在の我々が置かれている社会の仕組みへの気づき)
・もう一つが、多様性について。宇宙に出る事は、人類の進化の上で必然なのか?
まず、何のために宇宙にいくのか?
今まで、資源の問題で、宇宙から足りなくなったものを採取することに対する疑問や危機感を僕は持っていました。(今もそうですが)
それでは横暴な開発行為と変わらないのではないかと?
でも、ここでの話では、そんな枠組みも無くして、とにかくまず視点を変えて、今の問題を見てみること。それを言っているのです。
みんなが美しい地球の姿を、宇宙から眺めたら、クダラナイ争いも、富を集中させようなどという考えも、ちっぽけな話に思えてきてしまうかもしれない…と
そして、生物の多様性の話で、生きものは環境に適応するために、様々なカタチに変わっていき、その命を多種多様につなげてきた。アリの話でもそうだが、一次元アリでも二次元アリのままでは世界が終わってしまう。もしかしたら三次元アリでもダメなのかもしれないが、様々な可能性を考えていくことは、生物多様性という意味では必然なのかもしれない…と
そこで、先ほどの地球を見た時に、
マトリックスみたいな世界で辛口キャスターみたいな人も、盲目的に今までのスマートなライフスタイルを(一流大学に入り一流企業に勤める)続けてさえいれば幸せになれると思い込んでいる人も、何かが解けて行くかもしれない…
今、自分がやっている事は、まさに同じことなんだけどな…と
とにかく新しい視点を実践し見せていくしか無いのだ。
多様性の話って、本当は試行錯誤の軌跡の話なのだと思う。
まだまだ明確に宇宙へ進出することがいいことだとは思えないが、
少なくとも、新しい視点という意味では手段としてかなり有効なんだろうな…と
思えてしまったのでした。
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2012年6月24日日曜日
三次元アリから思う。多様性とは何なのだろう?
http://www.nh-bio.net/2012/06/blog-post_24.html
三次元アリから思う。多様性とは何なのだろう?
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